中学時代の同級生と一緒に働いている。
というより、彼の現場に手伝いに行っている。
彼は器用で、なんでもできるのだが、本来の仕事は看板屋である。
看板屋はほとんど大型プリンターによって印刷されたものを貼り付ける仕事が多いのだが、かつては筆で描いたものだ。
そして、彼は描いていた頃からの看板屋なのである。
そう、つまり、彼は描けるのである。
早速、やんわりと話を切り出してみた。
が、自分で描けばいいじゃないか。と言われた。
うむ。
おっしゃる通り。
おっしゃる通りなのだが、描けないから困っているのである。
とはいえ、描いてみたいってのが正直なところ。
下手うっても自分のバイクなので問題ないわけだ。
いや、問題ある。ありあまる。
と、こうして悩んでいるのもまた楽しいのである。